【ゴルフ】諸藤将次選手の飛ばしの極意を分析する

諸藤将次選手、長身かつゴルファーとしては細身でいて鬼のような飛距離。飛ばし屋は下半身ムチムチと勝手なイメージを持っていた私は、

どーしてこんなに飛ぶんだ!?

と諸藤選手のスイングがどうしようもなく気になったので、どういう特徴があるか、何が飛距離と密接に結びついているかを分析してみることにした。

 ちなみに、私はローリーマキロイさん(特に2011年あたり)のスイングをこよなく愛しているため、乗り換えようとかいう話ではありません。

繰り返し注意深く諸藤選手のスイングを見てみると、どうやらてこの原理的なものが大きく働いているように見える。

その前提でクラブを作用点、(おそらく)重心付近を支点と考えると、諸藤選手のスイングは力点にあたるクラブの反対側の部分が大きく動く点がとても印象的。

 

・ダウンスイング直後のタイミングあたりから、クラブの反対側の左脚が大きく動き出す

・ダウンスイング中、クラブのシャフトが地面と平行になる前後あたりのタイミングでは、クラブが下りてくるのと対照(対称)的に(左)腰が上昇

インパクト前~フォローにかけては、クラブヘッドが前方または上へと動いていくのと対照的に上半身から頭がカウンターバランス的に後方へ移動+左脚を浮かせることで、上半身~頭の動きが引き立つ、で、この動きをしっかり保持するには、右脚は前へ回転したり、曲がったりすることなく、ピンと張っているようなあのかたちが最適

 

とても理にかなった素晴らしいスイング。うん、最強だ。

と、諸藤選手のスイングはてこの原理、カウンターバランス的なものを大きくとった特徴をもつスイングだといえると思う。

 

てこの原理といえば、《①力点===支点=作用点》だと作用点を動かすのに小さな力ですむが、力点を動かした距離にくらべ作用点が動いた距離が小さい、つまり作用点の動くスピードは遅い。また《②力点=支点===作用点》だと作用点を動かすのにより大きな力がいるが、力点を動かした距離にくらべて作用点が動いた距離が大きくなる、つまり作用点の動くスピードは速い。そのようなものだったはず。

てこの原理は発展型は知らないが、小学校でならったくらいのレベルの話だと、通常、力点~支点~作用点の距離は固定で、動作中にそれぞれの距離を変えないが、スイングの動作中にはもちょろん変化している。

 

・ダウン始動時…①

諸藤選手のスイングにおいて、ダウン始動時には左脚が力点と考えることができるので、とりあえず重心付近を支点、クラブヘッドを作用点として、《①力点===支点=作用点》で、大きく力のいる出だしは、力点から支点までの距離を大きくとって小さい力で末端であるクラブヘッド(厳密には、ここでの末端(作用点)はクラブヘッドではないかもしれない)を始動させます。

(実際の左脚~重心付近~クラブヘッドの距離をあらわすと、力点==支点==作用点のような感じですが、動作中の変化を相対的に極端にあらわすと、力点===支点=作用点でいいと思います。)

・ダウンスイング中…②

ダウンスイング中、クラブのシャフトが地面と平行になるあたりでは、クラブヘッドが下りてくるのと対照(対称)的に、腰の左側部分が他部位より大きく動き(力点)、上に上がるような動作がみられる。ここでは、ダウン始動時に対し、相対的に《②力点=支点===作用点》となり、ある程度スピードの出ている作用点をさらに加速させる(スピードを出す)のに有利な関係になっている。

インパクト前~フォロー…②

力点は徐々に上へ移動していくイメージで、インパクト前~フォローの段階では、左わき腹あたりが力点とみることができる。依然《②力点=支点===作用点》で、作用点のスピードを上げるのに有利な関係となっている。クラブの動きと対称に上半身~頭が後ろまたは下へ移動しているように見えるが、これは力点への荷重というよりかは、クラブの動きに対するカウンターバランス的(帳尻合わせ)な要素が大きい気がする。

 

ということで、諸藤選手のスイングはクラブヘッドを加速させるのに非常に理にかなったスイング。しかもクラブと反対側の動き(力点側の動き)がはっきりしていてかつ強烈なため、飛ばしたいなら関係性をがんばって盗む見習うべきスイングだと思う。

注意すべきは、やはりしっかり捻転を保持した前提でのスイングであること。ただしく捻転して、脚から腕までがもうそれ以上捻じれない状態でひとつなぎのようになっているからこそ、脚~腰~腕~クラブが連動しててこの原理のような関係性にもなる。しかし、捻転を機能させたうえでないと、かたちだけを真似しても似た非なるものになるだけ、という点が難しい。(これに限ったことではないけど)

あと、高身長の人により有利なスイングではある気がする。誰が真似しても効率的なモーションだけど、例えば諸藤選手と体格がまったく違うひとは、別な動きを強調したほうがいい場合もあるかもしれない。